■2017/12/29〜2018/1/4は冬休みで沖縄。

■gocoupのシングルは2018年に持ち越し。

■こちらもぜひ。
https://soundcloud.com/hanzo_tv/

■京半蔵商店(三)。六分間のビュッフェ


(東都のにわか歌舞伎ファン、南座の顔見世を見物しに行って、そして蛇足のもう一泊の日記)

【十二月十一日土曜日 朝食】

■朝六時半ごろ、Wホテルからテクテク歩いて法然院へ。この“コンパクトさ”がいい。

ホテルまではタクシーで戻る。が、法然院までの道のりは、わりかし普通な住宅街なので、行きもタクシーでよかったかもしれない。


■ホテルのロビーで、三歳ぐらいの子供が「すってきなすってきなクーリスーマスー♪ すってきなすってきなクーリースーマスー♪ (´・∀・`)」という謎の歌を唄ってるのを聞き、日本人はこうやって子供のころからクリスマスがなんかステキなものだと刷り込まれて生きていかざるを得ないんだなー、と考えてしまう。おれもカソリック系の幼稚園に通ってたのですが。


■その後、ホテル内のレストラン「A」で朝食ビュッフェ。

なぜルームサービスではなくレストランで朝食かというと、このホテルに二泊の予約を入れたら、おまけとして自動的にこの朝食ビュッフェの券が一枚付いてきたんである。せっかく付いてきた券をないがしろにするのももったいないので、素直に利用することにしたわけです。


■午前八時、Aレストランは混んでた。店の前にも五組くらいの客が並んでいる(もうこの時点でイヤな予感がしますね)。とりあえず列に並ぶ。

150秒ほど並んだ後で、ウエイトレスがおれを席まで案内してくれたのだが、その席というのがですね、

入り口からすぐの柱のカゲ

という、かなり客をなめきった席だったのですね。人によっては、侮辱だと捉える人もいるだろう。

いやいやいや、店内は混んでたわけだし、こういう席に案内されても仕方ないかもしれない。ウエイトレスも別に悪気があったわけではないかもしれない。

というか、なぜこんなところにまで椅子とテーブルを置こうと思ったのか。そもそもよく分からない。


■こんな席には座りたくないので、

「ここはちょっと……」

みたいな感じで言葉を濁して渋ってみせたのですが、でも、敵もさるもの。ウエイトレスは、

「ええ、ですけど、こちらのお席が明るいですので」

というレスポンスをよこしてきました。はあ…、明るい、ですか。ふーん…。


■ウエイトレスは、付け足すように

「多少暗くはありますけど、奥の席もご案内できますが」

ともおっしゃってましたが、まあ混雑する時間帯だし、ウエイトレスにも事情はあるだろう、と慮ってしまい、この席にすることにしました。この、相手の立場を慮りすぎるのが、おれの悪い癖ですね。そこまで自分を殺さなくてもよいのに。


■で、ビュッフェ形式なので料理を取りに行った。

店内がクソ混んでるのは仕方ないとしても、このAレストランは変に折れ曲がった形をしていて、動線が異常に効率悪い。ビュッフェには向いてないと思う。しかも、おれの席はほぼ入り口にあるから、料理のあるところまでかなりの距離を歩かなければならない。それはまあいい。


■とりあえず、おれは店の奥の和食が置いてあるスペースまで行き、トレイを手に取り、茶碗に玄米をよそい、お椀に味噌汁を注ぎました。で、トレイに載せた玄米と味噌汁を片手に、他のおかずを取ろうと手を伸ばしましt──

ここで大失態。

味噌汁のお椀をひっくり返してしまいました。

ああ恥ずかしい。('A`)

テーブルも、おれの着てたスーツも、味噌汁でびしょびしょ。あーあー。(;'A`)

十数秒後、ウエイターがテーブル上の被害地域一帯を片づけてくれ、おれにも布巾を手渡してくれた。お仕事増やしてすみません…。


■で、改めて玄米と味噌汁を準備して、先ほどの屈辱的なまでに遠い遠い席まで運んできてはみたものの、味噌汁飲んで玄米を半分ほど胃の中に入れたところで、この席のひどすぎるポジションと、自業自得ではあるが味噌汁をこぼした件との相乗効果で、もういいかげん馬鹿らしくなって席を立つことにした。

近くにいた先ほどのウエイトレスに、

「こんな席で食べてもあんまり美味しくないです」と率直な感想を申し上げてAレストランを退場。

店を入ってから出るまで、正確に計ったわけではないが、だいたい6分間くらい。

ホテルの朝食ビュッフェをわずか6分で出てきたのは、さすがに初めてだ。


■部屋に戻ってもイライラしてたので、たまたま手近にあったルームサービスのメニューを腹立ちまぎれに床に叩きつけたら、そのメニューはバインダー式で、リングが外れて中身のページが全部床に飛び散った。

でもなっ、よく聞け! おれがシド・ヴィシャスだったら、メニューどころか、この部屋まるごと破壊してるっつーの!!!!

テレビに延長コードをつなげ、電源をオンにしたままテレビをプールに放り込んで爆発させてるっつーの!!!!(←あ、これはまた別のミュージシャンの話だった)

Wホテルの従業員は、おれがシド・ヴィシャスじゃなかったことを京都中のすべての神仏に感謝してほしい(何を書いてるんですか、おれは)。

で、ルームサービスのメニューは、飛び散った中身をかき集め、ページを揃え、ちゃんと元に戻しておきました。我ながら行儀が良すぎる……。('A`)


■京半蔵商店(二)。南座桟敷席、うまいうな重、まずいにしんそば、先斗町で飲まない


(東都のにわか歌舞伎ファン、南座の顔見世を見物しに行って、さてそれからの日記)

【十二月十日金曜日】
■朝食は、前の晩に発注しておいたルームサービス。

『ほぼ日』のこの記事を読んで、初めてルームサービスで朝食を摂る気になったんですが、たしかに良いですね。浴衣のままで食事できるし、いちいち着替えてレストランまで降りるの面倒だし、もう食べ放題がうれしい歳でもないし。

いわゆる朝食ビュッフェよりも量こそ少ないものの、精神的なあれが得られるので、けっきょく総合的な満足度も高くなる。

正直、ホテルの朝のレストランって、下品な中年男女の群れに侵略されてたりすることもあるからねー。


■で、Wホテルの玄関からタクシーで南座まで。運転手は不機嫌そうだった。Wホテルから南座までという距離がお気に召さなかったのかもしれない。すいません……っておれが謝ることじゃないよね、これ。


■南座近くのam/pmでフリスクとレッドブル(※酒代わり。酒を飲むと眠くなるので)を調達して、南座へ。今日は桟敷席。二万七千円。うん、二万七千円。二回云っといた。

で、桟敷席で気づいた点が二つ。一つ目、食事のメニューがない(つまり、幕間に食事を運んでくれない)。二つ目には、お茶がない。歌舞伎座にも新橋演舞場にも、メニューとお茶があったのに、南座にはなかった。

ので、いったん南座を出て、近所にあった鰻屋でうな重を発注し、南座の中の売店でお茶を買った。南座のお茶は、歌舞伎座でおなじみだった“もみだし茶”。実に八ヶ月ぶりの再会。


■で、開演。舞台上のあれやこれやは割愛。『阿国歌舞伎夢華』の、一同が花道で踊るとこがとても良かった。

途中、休憩時間に南座を出て、鰻屋へうな重を受け取りに行く。席に戻って食する。うまい。西麻布で殴られた人がCMに出てくるメーカーのお茶のペットボトルがついて3250円。サイズもちょうどいい。これは当たりでした。ペロッと平らげる。


■で、終演。南座を出る。しばらく向かいの通りから、南座の姿をボーっと眺めていると、「妙なお願いですが…」と、おばさま二人組みに南座をバックに写真を撮ってくれるよう頼まれる。二枚写してさしあげる。


■その後、フラフラと散歩。知恩院のあたりから、骨董屋や美術屋が並ぶ通りを歩く。

引き続きフラフラ散歩して、寛永堂というお菓子屋へ入る(京都市内にいくつかあるが、三条の鴨川沿いのスタバの近くの)。で、『まろのおみた』というお菓子を買う(うまいのです)。が、店員のおばさんがなんか別件で忙しかったのかどうかはしらんが、接客が自動販売機以下のレベル。感じ悪い。てめーなんかさっさとパリのコンコルド広場のギロチンの露と消えちゃえよババア!!!!!

それはさておき、引き続き散歩。先斗町を南下していくのが楽しくて、二回も歩いてしまう。おれは、先斗町の店に入ったことはない。「先斗町で飲む」というのは人生におけるちょっとした目標であるけども、このごろは「先斗町で飲まない」のが大事なような気がしてきた。憧れは憧れのままとっておくほうが良いというか。せっかく良い感じに育ててきた“京都幻想”が失われるのではないかというか。


■その後、某店で京都名物にしんそばを食べたのですが、えー、美味しくなかった。銀座の某カツカレーと同じで、発祥の地だからといって美味しいものを出してくれるとは限らないらしい。こういう立ち食い以下の蕎麦で1200円を取るのは泥棒の一種ですね、とまでは云わないけど、まずいもんはまずい。そば茹で過ぎ。そしてスープがぬるい…。お店のおばちゃんはイイ人だったけど、この程度の商売で食っていけたら(一等地だしねえ)、そりゃイイ人にもなるよな。

しっかし、なーにが総本家だよ。あ、まずいにしんそばの総本家ってことですね、わかります。

(いま、この店のサイトを見たら、1841年(天保12年)創業と書いてあった。天保年間からこんなまずいそばを出して平気な神経でいられるんですね! さすが老舗!)


■美味しくないにしんそばを堪能したあと、Wホテルまでタクシーで戻ることにする。タクシー代を節約しようと思ったわけでもないが、タラタラとホテル方面を目指して歩いてるうちに、当のWホテルに着いてしまう。

テレビなんぞ見つつ、先ほどの『まろのおみた』を食べる。うまいんだよなー、悔しいことに。


■夜の八時半ごろ、お酒がほしくなったんだけど、この時はどういうわけかルームサービスを頼む気にはなれず、財布だけを持ってホテル近所の酒屋を探すことに。

……が、京都にくわしい方はご存知でしょうが、Wホテルの周りって、ほとんどなんにも無いんですね、良くも悪くも。

で、それっぽい酒屋を探してテクテク歩いてるうちに、「酒のディスカウントストア」みたいなのを発見するものの、これはちょっと入る気になれなくて、引き続きテクテク歩いてたら、また三条の鴨川沿いスタバの方まで来てしまう…。で、ついでだから本日三回目となる先斗町南下を試みるも、寒いので(※あくまで「ホテルの近所の酒屋に酒を買いに行く」ぐらいの感覚だったので、薄着)、途中で断念。分かったことは、男一人が手ぶらで繁華街を歩いてるのはちょっと変、ということです。ほっとけ。


■しょうがないので先ほどの「酒のディスカウントストア」みたいなところで素直に日本酒を一合買って、Wホテルまで歩いて戻る。日本酒一合のために、往復で約2kmの散歩となってしまいました。寒かった。疲れた(なぜタクシーに乗らなかったんだろう)。


■で、部屋に戻ったところで、このホテルにもバーがあったことを思い出し、行ってみることに。

しかし、行ってみたら、なんかオヤジ達が談笑する声が響いてきたので、妙な予感がしたので、バーは止めにしといた。

東京じゃない都市のホテルのバーは、単なる「披露宴帰りのオヤジ専用洋風居酒屋」と化してることがたまにあり(東京にもそんなとこはありますが)、そういう店でカバーチャージ950円、ウイスキー一杯1500円を払うのはあまり楽しくないので。


■けっきょく、部屋に戻って一人で大人しくテレビを見ながら、買ってきた日本酒を飲むことに。

酒は美味しいのだけれど(『桃の滴』という銘柄でした)、南座を出てからずっとアホな時間と体力と日本円の遣いかたをしてるなー、という思いがぬぐえず。


■気がついたら、寝ていた。


■本日の教訓。旅先では、ルームサービスとタクシーは素直に利用すること。


■京半蔵商店(一)。海老フライ、海老蔵のいない顔見世


(東都のにわか歌舞伎ファン、南座の顔見世を見物しに行く。の日記)

【十二月九日木曜日】

■芸能人なので新幹線のグリーン車に乗って、朝の十一時ごろ京都着。


■修学旅行だと思われる中高生の集団が散見されるものの、街は空いている。ゴールデンウィークとは比べ物にならないくらい歩きやすい。


■まずはとある洋食屋へ。カウンターだけの小さな店。コロッケとエビフライの盛り合わせを頼む。うまい。とくにエビフライ。エビがケチくさくない。ぷりぷりしていて、一噛み一噛みが美味しい。小皿に入ってる冷たいタルタルソースも、もしかしたら自家製だったかもしれない。 二千六百円。

この盛り合わせには、ごはん feat. 漬け物のセットが付いてくる。キュウスのお茶を注いでお茶漬けにしても良いし、そのまま普通に食べても良い。ごはんはお代わり自由。

「京都を一人旅している女は美人が多い」、というのは拙僧がかねてから唱えている学説でありますが、おれの隣の席もそういう女性であった。その人はビーフシチューを発注していた。おれも次はビーフシチューを試してみようと思う。


■洋食屋を出て、しばらくは付近をブラブラ。高台寺、圓徳院。この二ヶ所は、個人的なすべらない京都である。圓徳院の「宗旦狐」はかわいい。高山寺の犬のように、ミニチュアを作ってほしい。あるいはソフビのフィギュアを発売してほしい。


■で、歩いて南座へ。夜の部の開演まで、まだ間があったので、近くの喫茶店で時間をつぶす。


■で、南座へ。南座の前は、今年四月の歌舞伎座のような混雑で、時はまさに世紀末!! しかもこの日は開場時間がちょっと遅れた。

南座は毎月こんな混雑なのか。それとも顔見世だから特別に混んでるのか。そこらへんはよく分からない。


■三階席の一列目に座って、お行儀良く歌舞伎見物。舞台に関するあれやこれやは割愛。愛之助の外郎売よかったです。

下手の席だったのですが、花道の七三もそこそこ見えた。


■南座に着く前にちょっと歩き疲れてしまい、後半、上演中に何度か眠くなった。いかんなー、そういうとこはちゃんと計算しとかないと。


■南座は、歌舞伎座の「狭さ」「小ささ」「古さ」が残ってるのが良い。

幕間に、鰻のひつまぶしを出汁巻きでとじた物体を売店で買って食する。味についての感想は、とくになし。


■で、演目五つでトータル六時間強(休憩を含む)というボリュームの夜の部終演。タクシーで今回の宿、Wホテルへ。チェックイン。

部屋に着いてから、あらかじめ南座近くのam/pmで買っておいたチョコレートを食す。ホテルの夜といえばチョコレートでしょう! (`・ω・)キリッ という謎の固定観念があるので。

あとはロックスターっぽく、ルームサービスでワインを発注するなどしてくつろぐ。


■深夜、NHKニュースにて、西麻布で殴られた人に代わって来月の銀座に玉三郎登場の報。


■京都から戻ってきた


■どうも。京都まで行って味噌汁をこぼしてきました半蔵商店です。味噌汁の件は、後日書くかもしれないし、書かないかもしれない。


■さて土曜の夕刻に京都県から石神井県に帰ってきたのですが、五月のゴールデンウィークに引き続き、今回の京都滞在もまた、「歌舞伎は良かったが、歌舞伎以外のその他は、うん、ちょっと、うん…('A`)」という結果に終わりました(ちなみに五月は京都の南座ではなく大阪の松竹座ですが、それはさておき)。

西暦2010年の京都は、石神井県在住者にとって、鬼門かなんかなのでしょうか。鬼門がなんなのかそもそも分かってないのですが、なんか、方角がよろしくないというか。どうも今年は相性がよくないような。自分以外の何かに責任を求めるわけではないですが。

おれがある種のブロガーだったら、「京都旅行を楽しむコツ10」みたいな、ビギナー向けに書かれてるようでいて実のところは自分自身に対して必死で何かを言い聞かせているような記事を書いてるところです。いや、めちゃめちゃイヤなことがあったって訳でもないんだけどね。


■しかし二泊三日はちょっと長すぎた。一泊二日で、歌舞伎だけ見てさっと帰って来るべきだったかも。三日目は完全な蛇足だった。今回の目的地は、「京都」ではなくあくまで「南座」だということは頭では理解してたのですが、ツメが甘かった。

ただし、三日間とも昼メシだけは「当たり」で、歌舞伎以外はそこらへんが唯一の救いでした。


■味噌汁に濡れたスーツは、東京に帰ってきてすぐクリーニングに出しました。


■南座いってきます


いまから、今日も俗世の雑事でお忙しい皆様に代わりまして、京都の南座の顔見世に行ってまいりまして、ついでになんか美味しいもの食べてきますのでよろしくお願いいたします。文句ある?

では行ってまいります。



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