■2017/12/29〜2018/1/4は冬休みで沖縄。

■gocoupのシングルは2018年に持ち越し。

■こちらもぜひ。
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■突発性難聴等(四)(感動の最終回)


■六月二十四日(水)
9:00
昨日、突発性難聴らしき症状が発生した右耳は、幸い今日はなんともない。

でも、あれだ、これは耳だけの問題と云うよりは、たとえば脳の血流かなんかの異常が、右耳の突発性難聴という形になってあらわれた、ということはないだろうか。そう、難聴はあくまで「結果」であって、もっと他のところに原因があるような気もする。じっさい、「右肩が重い、右の後頭部が痛い」という症状も難聴と同時上映であらわれたんである。←語尾が中島らものエッセイぽい。

────ここで、気になることを思い出した。一年ちょっと前のことだったか、仕事中に大きく「のび」をしたところ、立ちくらみがして、視界が瞬間的にくらくらっときて、左の後頭部から首筋にかけて、水が流れるような感触があった。という体験をした。

で、その数ヶ月後。八嶋智人がやってる健康番組をなにげなく見てたら、脳卒中だか脳出血だか脳梗塞だかで倒れたことのある人がVTRで出てて、その人が倒れる直前に体験したのが、まさに上記の「水が流れるような感触」だったそうなのである。これ、めちゃめちゃ当てずっぽうで云うんだけど、脳内のどこが破裂して血がどくどく流れてたりしたんだろうか…(このことを昨日の耳鼻科の先生に話したところ「それってテレビで見たってだけの話ですよね?」と一蹴されたけどな)。

そんなわけで、このたびの難聴も、たとえば脳の出血かなんかに関係があるのかなー、と不安になってきたわけです。なので、今日も病院に行くことにする。


10:00
しかしこの場合、何科で診てもらうのがいいんだろう。つーことで検索。「脳の出血うんぬんで不安になったら、まずは神経内科や脳神経外科を受診のこと」と出てきた。卵からかえったばかりのヒナ鳥は、いちばん最初に見たものを親だと思い込む。いわゆる「すりこみ」ってやつですね。同様に現代人はGoogle検索でいちばん最初に出てくるものが正解であり、宇宙の真理であり、神からのお告げだと思い込む。Googleで得られた健康情報を鵜呑みにして生きてたら変な目に遭って死ぬこともあるんだろうなあ、とは思いつつも、まあとりあえずこの検索結果にはとりあえず従ってみることにする。

大学病院は紹介状なしだと高いので(=昨日学習した。というか昨日はあせってて小さい病院を検索する余裕なんてなかった)、検索で見つけた恵比寿の小さな病院を電話して予約。


18:00
会社をちょっとだけ早く出て恵比寿へ。予約した病院に行く。木材を基調として間接照明の柔らかい光に照らされた内装は、病院というよりは隠れ家風ダイニング居酒屋、みたいな雰囲気であった。実際に、この病院は飲み屋街の中にある。

受付を済ませて、血圧を測り、問診票を記入。待合室で待つ。


18:20
診察室へ。先生に、きのう突発性難聴らしき症状が現れたこと、一年前に「脳卒中かなんかの前触れかもしれない症状」が現れたこと、を話す。先生はとりあえずCTスキャンを撮りましょう、ということになった。いったん待合室に戻る。


18:35
CTスキャンの部屋へ。CTスキャン、といってもCMJKのフロッグマン・レコーズでの名義ではなく、人体を輪切りにしたような撮影ができる機械のほうです。CTスキャンを撮ったのはひょっとしたら生まれて初めてかもしれない。撮られるほうは寝っ転がってるだけでいいから、ラクだね。なにも痛くないしね。


18:50
ふたたび診察室へ。CTスキャンで撮影(という呼び方であってるのかな?)した画像を見た先生が「立派な脳です」と褒めてくださる。立派、というのは中身のことではなく、妙なキズやら影がない、という脳外科的な意味です。まあ中身も立派なんですけどね。

CTスキャンも血圧も正常だし、なんともないです。気になるようでしたらまた来てください、とのことで本日終了。

なんつーか、先生は、「突発性難聴になりました、去年は脳卒中の前触れのような現象もありました、どうしましょう」とひとりでわちゃわちゃ焦っているおれの不安を取り除くための儀式として、わざわざCTスキャンを撮ってくれたような気がする。診察代は三千円くらいだった。


19:10
恵比寿から56億7000万年ぶりくらいに埼京線に乗って池袋まで。そこから丸ノ内線で茗荷谷まで帰る。





■つーことで、突発性難聴(かどうかは断言できないんだけど)になった日と、その翌日のお話でした。

早い話、二日間で診察代とタクシー代あわせて一万数千円つかって、けっきょく何もなかったことが分かった。まあ何もなかったのは良いことなんですが。あと、おれの脳が(CTスキャンの画像で見るぶんには)立派だということも分かった。


■いまさらですが、なにかあったときのための各種病院の位置を、自宅周辺と職場周辺で把握しといたほうがいいですね。でないと、病院の位置を調べる余裕がなくて大学病院に駆け込んで高い料金を払うことになる。


■しかし、そもそもなぜおれの右耳の聞こえ方は悪くなったのだろう。よくわからない。気圧差とか、気温差とかによるものかもしれない。季節や天候の変化で三半規管の調子が悪くなることがあると聞く。でも、よくわからない。ついでに云うと、なぜあっさり治ってしまったのだろう。それも分からない。

おれが確実に云えることは、最近の三四郎には「お笑い第七世代にくくってもらえない哀愁」のようなものが日に日ににじみ出ている、ということだけです。「第七世代じゃなさ」というか。