■2017/12/29〜2018/1/4は冬休みで沖縄。

■gocoupのシングルは2018年に持ち越し。

■こちらもぜひ。
https://soundcloud.com/hanzo_tv/

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■二月大歌舞伎 2/16 夜の部


■「はっぴいえんど」のギターの人が大麻所持で逮捕されてから、本日でちょうど10周年です!

──忘れてやれ (゚д゚ ) (゚д゚ ) (゚д゚ )


■といった意味も含めまして半蔵商店でございます。きのうは歌舞伎座、夜の部を見てまいりました。


■夜の部最後の『名月八幡祭』。

テキトーに生きてる美男美女に、マジメにこつこつ生きてるだけの人は何をどうやったってかなわないですよ、という心あたたまるお話。まあ世の中とはそういうもんです。

でもこの話の救われないのは、新助が美代吉に、利用されているでも、食い物にされてるでも、搾取されてるでもなく、ただただ「なんとも思われてない」。馬鹿にされてるでも、だまされてるでもなく、鼻であしらわれてるでもなく、ひたすら「なんとも思われてない」。百両を工面できそうなやつが新助じゃなくて犬だったとしたら、美代吉はその犬に色目を使っただろう。百両持ったアルパカが近所を歩いていたら、美代吉はそのアルパカに言い寄っただろう。それくらい、新助が美代吉に「なんとも思われてない」。この「なんとも思われてなさ」はなかなかにすさまじい。美代吉に悪意らしい悪意が、これといってない。悪意がないから、新助に「怒りじろ」のような余白が与えられてない。よって、怒りをまっとうに表明するきっかけがない。よって、怒りが自分の中に溜まるだけ溜まって気が触れる。よって、美代吉を刺し殺す。終。制作・著作NHK。

まあ、マジメすぎる新助もどうかと思いますけどね。オトナになったら、マジメって必ずしも良いことではないからね。時と場合によっては、なんならアホの一種であることさえあるからね。


■しかし残酷なのは、美代吉が刺し殺されることではなく。

これはあくまでお芝居だから、美代吉が刺殺される、というある種の人々が溜飲を下げる結末が用意されているけど、現実世界では美代吉×三次タイプが一生、幅を利かせ続け、新助タイプは一生泣き寝入りし続ける、というちょっとした刃傷沙汰なんかよりはるかに残酷な設定がなされています。こわいよねー、現実って。政府は表現物より現実を規制するべき。ストップTHE現実!

──なに云ってんだおまえ (゚д゚ ) (゚д゚ ) (゚д゚ )


■新助を、というか他人や世間のことをそもそもどうとも思ってない、ほんとになんとも思ってない美代吉と三次の二人をいわゆるニザタマが演じます。これがはまってるんだよな。もちろん松緑の新助も良いですね。朴訥さと屈折したところをあわせもつ感じがちゃんと出ている。このところ、おれは新歌舞伎の松緑が好きです。





■『熊谷陣屋』は、おれの体調の問題で──ようするに眠かった。この日に限ってカフェインの錠剤を持ち合わせてなかったんですね。眠りはしなかったけど何度か睡魔と格闘していた──ちゃんと集中できなかった。ので、できれば来週幕見したい。

しかし熊谷陣屋、開幕の柝とともに「はりまや〜〜」という気の抜けたドヘタな掛け声がかかってゲンナリ。しかも三連発。うるせえよおまえ。鼻の穴へ水族館蹴込むぞ。


■あと、某コラムニストの日記エッセイにチラホラ出てくるのでその存在を知った「赤トンボ」のサンドイッチが、歌舞伎座の売店でも売られてるのを発見したので買ってみた。一切れ一切れが大きめの麻雀牌くらいにカットされたサンドイッチが8切れで800円。ふむ。なかなかお上品なお味でした。