■2017/12/29〜2018/1/4は冬休みで沖縄。

■gocoupのシングルは2018年に持ち越し。

■こちらもぜひ。
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■七月大歌舞伎 夜の部 『源氏物語』 7/7


■海老蔵の『源氏物語』を見てきました。なんつーか、もうやりたい放題。笑

オペラに能に、映像に生け花(カブキのチラシに、「いけばな」という文字列がクレジットされているのを初めて見た)(それを云うなら、オペラ歌手の名前が載ってるのも初めて見ましたが)、と、ありとあらゆるものを歌舞伎にぶち込んできてます。自由かよ。

芝居、というよりは、海老蔵の趣味の催しって感じ。役者のセリフも、セリフというよりは“説明”って感じだったしね。


■でもまあ、それがイカンということでもなく、割り切って見ればまあ楽しめた。YouTubeが関連動画をつぎつぎと再生していくがごとく、いろんな要素──オペラとか能とか映像とか生け花とかカンゲン君とか──が、次々に出てくる。切り貼りコラージュされたVHSテープのように場面が切り替わっていく。一種の編輯藝術、とまで云うと持ち上げすぎなんだけど、少なくとも一般の観客を飽きさせないって点では成功している。って茗荷谷駅前のマックで女子高生が云ってた。


■とはいえ、これが歌舞伎座でかけるべき演目かっつーと、うーん、微妙かもしれない。上記の通り、あまり芝居っぽくない。オペラだ能だといろんな要素が混在してるので、相対的にカブキ味が薄い(これと較べたら、先週コクーンで観た大人計画『ニンゲン御破算』のほうがカブキ味があった、とすら思う)。


■でも、そこは海老蔵。切符が完売なんですね。人気がある。

客のほうだって、周囲のヒトに、「こないだ歌舞伎座行ってきてさー」とただ話すよりは、「こないだ歌舞伎座の海老蔵の芝居行ってきてさー」と話したい。すきあらば会話の中に海老蔵という固有名詞を練り込みたい。そのほうがハクが付く。

そのハクを付けたい、という通俗的な需要に応えるべく、このような市川海老蔵単独ライブはこれからも上演されることでしょう。エビゾー側も、カンゲン君とか宙乗りとか、客を呼べるキャッチーな手札は持ってますしね。

成田屋はしかし、こういう趣味の催しもいいけど、本来の歌舞伎も大事にしてほしいですニャー。って茗荷谷駅前のマックで猫が云ってた。


■あ、あとさー、あれだけオペラや能をさんざん持ち出しといて、みんなで踊るあのラストシーンはちょっと不似合いだろと思った。インド映画じゃないんだから。笑

いや、でも、この『源氏物語』はあくまでも芝居じゃなくてコラージュだ。海老蔵がやりたいもの/見たいものを編集したVHSだ。細かいことを気にしてはいけない。

(そういえば何年か前の海老蔵コクーンもあんな感じだったよね。みんなで踊って幕、って。)


■まあ、なんというか繰り返しになりますが、割り切れば楽しめますので、鷹揚な感じでご見物すると良いかと思います(こういうのをわざわざ見に来ていちいち律儀にハラ立てるのもなんか違うと思う・笑)。あと、なんだかんだで右團次がいちばん歌舞伎役者っぽかった。この演目をカブキと呼べるとしたら、それは右團次のおかげだと思った。現場からは以上です。今日はこれから昼の部。