■2017/12/29〜2018/1/4は冬休みで沖縄。

■gocoupのシングルは2018年に持ち越し。

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■涎くり、仁左玉、道成寺、鯉、平成二十五年五月のカブキ状況


■しかし、ヒトから借りたマジックってなんであんなにインクの出が悪いんですかね。

といった意味も含めまして半蔵商店でございます。この五月の歌舞伎の感想文などを書きます。


■五月三日(金・祝)
こけら落とし五月大歌舞伎初日。朝、帝國ホテルで茶を飲み、ホテルの玄関で自動車を拾って京橋区木挽町の歌舞伎座へ。運転手さんが「今日初日なんですね、楽しんできてください」と云ってくれた。

席は桟敷席、と云いたいところだけど、松竹歌舞伎会の先行販売を買い逃してしまい、けっきょく一般販売で一階席を取った。とはいえ花道のすぐそばなので、家路へつく涎くり親子を間近に見られるのは悪くない。

翫雀の体重が気になる『鶴亀』(亀鶴ではない)のあと、涎くりが墨をすりながら新しい歌舞伎座で最初の『寺子屋』が始まる。芝居全体の感想を書くと、うーん、全体的にまとまりがないというか、舞台に濃密な空気をあまり感じなかった。まあ初日なので。

捕手(でいいのかな)が春藤玄蕃に草履を履かせるところで、ちょっと手間取っていた。しかも、春藤玄蕃が花道から去る時、右足から草履が脱げた。まあ、初日ならでは、ということで。

涎くり親子の花道のセリフが、新しい歌舞伎座にちなんだものになっていた。

亀寿の涎くりは、もっと天真爛漫な元気さが欲しい。まだちょっとブレーキがかかっていた。

寺子屋のあと、『三人吉三』。'10年4月のさよなら公演の、團十郎の和尚吉三を思い出しながら見る。


■五月五日(日・祝)
明治座。花形歌舞伎夜の部。予算の都合上、明治座は昼と夜のどちらか一つだけを見ることにしたんだけど、『鯉つかみ』が見たかったので夜の部にした。

『将軍江戸を去る』は、芝居というよりはテレビドラマの撮影現場を見学してる感じ。テレビというメディアがなかった時代は、こういう妙にリアリティ、リアリティしてる歌舞伎も有効だったのかもしれない。

関係ないけど、この種の幕末を舞台にしたフィクションを見るたび、なぜ明治維新はさも“いいこと”のように学校教育の場で教えられるのだろうか、と考えてしまう。

もっと関係ないけど、漫画のパタリロの舞台になってる「マリネラ」という国は、江戸時代の江戸、なんじゃないだろうか。『将軍、江戸を去る』というのを『パタリロ、マリネラを去る』に置き換えると、慶喜を惜しむ江戸の人々の気分がよく味わえた。何書いてるんですかおれは。

売店で最中アイス(あずき)を食べた後は七之助『藤娘』。で、そのあと『鯉つかみ』。宙乗りもあって、本水もあって、大サービスって感じで良いね。愛之助にからむ鯉がまた悪い鯉で、客席に向かって水を噴きかけたりする。なんてやつだ。一階席前方で見てみたい。鯉は、まぶたをパチパチ動かしたりもしてて芸が細かい。

しかし明治座って、終演後にビルから出るまで一苦労。


■五月七日(火)
歌舞伎座の一幕見席で『京鹿子娘二人道成寺』。


■五月十一日(土)
歌舞伎座第二部。『伽羅先代萩』、『吉田屋』。
終演後、二年ぶりくらいにナイルでムルギーランチ。


■五月十三日(月)
歌舞伎座の一幕見席『梶原平三誉石切』。

おれが石切の切符を買った時点では、道成寺の切符もまだ残っていた。いまから思えば、道成寺のほうも一緒に見ておくべきだったなー。

赤坂にロボットおじさんが来日してて、この日はそっちに行こうともしたのだけれど演奏される曲目を勘案して、やはり歌舞伎座へ。ちなみに5/9の『放射能』と5/14の『エレクトリック・カフェ』には行った。


■五月十八日(土)
初日に見た時はちょっと物足りなかった『寺子屋』がどれくらい変化してきてるのかを一幕見席で見ようと思い立ち、朝の木挽町へ。

朝八時半、歌舞伎座にはまだ五名くらいの人類しか並んでいなかったので、近所の「小諸そば」でそばを食べ、コンヴィニエンスなストアーでサムシング・トゥー・ドリンクやサムシング・トゥー・イートを買い求め、八時五十分ごろ歌舞伎座に戻る。人類の列は二十名弱になっていた。

で、無事に一幕見席の一列目中央の席を確保して(『鶴亀』と)『寺子屋』を見る。

菅秀才の習字の半紙が、ほかの寺子たちの半紙よりひときわ白いことに気づく。


■五月十九日(日)
歌舞伎座第三部。『梶原平三誉石切』、『京鹿子娘二人道成寺』。二階席にて。


■五月二十三日(木)
仕事帰りに一幕見席で道成寺を見ようとするも、おれが歌舞伎座に到着する数分前に切符が売り切れ。
『YOU』でオムライス、ではなく野菜カレーを食べる。


■五月二十四日(金)
仕事帰りに一幕見席で道成寺を見ようとするも、おれが歌舞伎座に到着するだいぶ前に切符が売り切れ。


■五月二十五日(土)
運転の練習もかねて車で歌舞伎座へ。第二部再見。藤十郎の政岡や、仁左玉の吉田屋は、今後そうそう見られないような気がしたので。

帰りに、仁左玉、玉三郎+菊之助の舞台写真を買う。

涎くり亀寿の舞台写真も買う。近い将来おれが涎くりを演じる際の参考資料として。


■五月二十八日(火)
今日は平成中村座の大千穐楽からちょうど一年だな、と思う。


■五月二十九日(水)
仕事帰りに一幕見席で道成寺を見ようとするも、おれが歌舞伎座に到着した瞬間、目の前で切符が売り切れ。
やはり、5/13は石切だけではなく道成寺も見ておくべきだった。

某地下組織で、来月の歌舞伎座のチケットを発見。二階の最前列センター。買う。