■2017/12/29〜2018/1/4は冬休みで沖縄。

■gocoupのシングルは2018年に持ち越し。

■こちらもぜひ。
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■秀山祭九月涎くり 新橋演舞場 9/15+16


■いーちーにーちーにー、いーちーじーまーなー(中略)蔵商店でございます。

この土日は両日とも、新橋演舞場で秀山祭九月大歌舞伎の昼の部を見に行ってました。というか『寺子屋』を見に行ってました。というか涎くり与太郎(今月は種之助)を見に行ってました。いけませんか。

以前も書きましたが、今月の『寺子屋』は、涎くりファン垂涎の「寺入り」の場面をやるのですね。涎くりの出番が多いわけです。今月の筋書の上演記録ページを見る限り、寺入りの場面は平成17年4月の松竹座以来、トーキョーに限っていうと平成14年2月の歌舞伎座以来のようです。今回見逃すと、次はまたいつになるか分かりません(とか云って、半年後とかに上演されたりするかもしれませんが)。涎くりファンの方は、クラフトワーク『エレクトリック・カフェ』のスペイン盤(初回プレス)を売り払ってでも劇場へ足を運ぶことをおすすめします。


■さて、涎くり第一の見せ場と云えば、「へのへのもへじ」を書いて周囲の子供に見せびらかすところですが(そして冷たい視線を浴びせられるのですが。笑)、へのへのもへじを書く直前、一瞬なにやらひらめいた表情をするのですね。この表情は涎くりファンなら見逃せないポイントなのですが、'10年4月歌舞伎座の涎くり高麗蔵(※おれが初めて見た『寺子屋』なので、どうしても高麗蔵の涎くりが感覚のスタンダードになってしまう傾向があります)は涎くりなりにキリッとした表情を見せた(そう記憶してますが、記憶違いだったらすいません)のに対し、今月の種之助はもっとノウテンキというか、おかしみのある表情をしていました。


■お仕置きとして机に立たされるシーンでは、涎くりは線香と茶碗を持たされているのですが、線香がしだいに短くなるんですね。線香は実際に燃えてるわけでもなさそうだし、どうやって短くしてるんだろう。ときおり、茶碗に線香の灰を落とすしぐさをするのですが、そこにヒントがありそうな気がします。

お仕置きが不服なのか、頬を軽くふくらませて息を吐く、という表情を何回か見せるとこがよいです。



■下男とふざけるシーンでは、とつぜん女形風の演技を始める涎くりが見られます。ひょっとすると、この場面、役者の女形としての素質が問われるのかもしれません(言い過ぎか。笑。でも、基礎ができていないと、パロディやカリカチュアライズはできないよね)。シナを作ってなよなよする涎くりが楽しいシーンなんですが、ここ、猿弥('10年5月演舞場涎くり)でも見たい。笑


■やたら周りをキョロキョロしたり、教科書を無意味にパタパタさせたり、かすめ取ったお菓子を美味しそうに食べたり(ほんと美味しそうに食べる。笑)、と本当に落ち着きのない涎くりも、源蔵が戻ってきてからはそれなりに真面目になるところもおかしい。

菅秀才はもっと真面目で、他の子供が手を休めてるときも黙々と筆を動かしてます。


■「遊ぼう遊ぼう」とみんなで遊びに行くシーンで、一番小さい子役の机を運んであげるというのも涎くりの大事な仕事です(って昔からそうなのかどうか分かんないけど)。ここも見逃したくないとこですね。

いつだったか、誰にも(涎くりにも、年上の子役にも)机を運んでもらえず、自力で机を何とかしている小っちゃい子役を見たことがあります。大変そうでした。藝の道は厳しい。(´;ω;`)


■シャンシャンシャンとホウキを振り回しながら涎くりが出てくるシーンは、動きにキレというかメリハリというか、そういう「決めポーズ」感がほしいところですが('10年4月の高麗蔵にはそれがあったと記憶しております。記憶違いだったらごめんね)、種之助はさらっと流す感じでした。


■──などなど、涎くりについては引き続き観察と研究を重ねていきたいと思います。自分でも演じたいので。

しかし涎くりは、帰り道でお父さんに何を買ってもらったんでしょうか。ちょっと気になります。