■佐藤雅彦展

2025_10_29 水 23:25
半蔵


■テレビCM、テレビゲーム、経済入門書、童謡、テレビ番組、と異なる分野それぞれにおいてヒット作を世に放ち、いまは「考えることそのもの」あるいは「考えることについて考えること」が商売(?)になっている佐藤雅彦の佐藤雅彦展に行ってきました。

そりゃ、佐藤雅彦展やってるのは以前から知っていましたよ。高度情報化社会ですから。でも今年は六月七月八月九月と暑くて、横浜県まで出かけようという気には、ちょっとならなかったのです。で、十月は十月でさー、歌舞伎座が第一部第二部第三部AプロBプロあったから忙しかったわけですよ義経千本桜。

ですが、先週の日曜日、ようやっとのことで横浜美術館に足を運べました。わりと会期ギリギリですね。


■小雨降るなか朝八時台に会場に到着。この時点ですでに数十名は並んでたかなあ。で、自分も列に加わり、二時間二十分ほどならんで切符を真顔で購入して十時半からの回に入場できましたよ。


■で、結論から書くと、キャリア初期のグラフィックの仕事、「アメリカ現代版画と写真展」のポスターが見(ら)れて良かった! 当たり前だけど、もちろん原寸。これを見るだけでも、横浜に来て二時間二十分ならんだ甲斐があったというもの。

大胆な余白と、精緻に書き込まれた部分。その対比。情報を整理整頓する心地よさと、情報をギュッと圧縮した密度が同居している。それでいて、遊び心もある。

そして、美術館の展覧会のポスターであるにもかかわらず、作品と思われる図版が衝撃的なまでにめちゃくちゃ小さい。なんだこれ。

国民のみなさんそれぞれ佐藤雅彦氏に対する思い入れがあると思うのですが、おれもおれで『広告批評』の別冊かなんかの『佐藤雅彦全仕事』をくり返しくり返し読んでる時期、というのがあったのですね。あの黄色い本。その黄色い本に、このポスターも載ってたと記憶しております。現物を見ることができて良かったです。

このポスターをはじめとするグラフィック作品群は、集中して見ましたね。たぶん係員からマークされてるぐらい見ました。


■つづいてCMの小屋を二軒。一軒はCM本篇が上映され、もう一軒はCMの解説が上映されてました。

上述のとおり、黄色い本を読み込む時期があったので、おれにとって佐藤氏はだんごやらピタゴラやらよりも、やはり「電通のCMのヒト」というイメージがやはり強いです。未見のものを含め、佐藤CMをたっぷり見ることができました。

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